ハイレッド・センター:直接行動の軌跡展@松涛美術館

 

東京ミキサー計画―ハイレッド・センター直接行動の記録 (ちくま文庫)

東京ミキサー計画―ハイレッド・センター直接行動の記録 (ちくま文庫)

 

 自転車で松涛美術館へ。

 直接行動自体を保存して展示することはできないから、案内状や記録写真や行動に使用した作品などの展示。

復元できるものは部分的に復元して展示。

 行動に使った物の中では、中西夏之の≪コンパクト・オブジェ≫群が生々しかった。時計を埋め込んでいるものがいくつかあり、時間を封じ込めるという意図があったのかもしれないが、それよりも偶然紛れ込んだかのような当時のロッテチューイングガムのパッケージの方に止められた時を感じた。

 赤瀬川源平のグラフィックも、当時は斬新な色や構図だったのかもしれないけれど、今見ると何ともレトロ。

 でも、千円札事件懇談会・法廷における大博覧会6中西夏之≪洗濯バサミは攪拌行動を主張する)は、まさにパンクファッション。1966年であることに違和感を覚える。先取りし過ぎ!

通常願っても実現しないような場所で繰り広げられた大博覧会は、彼らにしてみればまさにしてやったりという思いだっただろう。

 ≪復讐の形態学≫の前で聖徳太子に扮する篠原有司男(キューティー&ボクサー!)に青年の発する匂いを感じた。

 「シェルター計画」人体展開図のオノ・ヨーコ、箱にして売り出せばいいのに。

 高松次郎のイケメンさに、ちょっとぼーっとなった。私は彼の「影」シリーズが好き。

 

私は1964年生まれ。私の両親は彼らの活動を知りはしなかっただろう。苦労して勉強をして必死に働き、郊外に家を建てて第一子が生まれるころ、同世代とはいえ前衛芸術家に興味はなかっただろう。

 

松涛美術館が改装したというので、へーどこが?と思いながら2階へあがったら、なんと喫茶がなくなっていた!ショック・・・。私はあのソファに深々と座ってコーヒーを飲むのが大好きだったのに!

 

 松涛を後にして、山手通りの急な下り坂をスキーのスピード感で下降したら、うっかり246の下をくぐってしまうところだった。

大橋ジャンクションの図書館で予約しておいた野見山暁治の「パリ・キュリイ病院」を借りて、ライフで買い物して帰宅。